本書は、元マイクロソフトの伝説のプログラマーである著者が教える人生を制するスピード仕事術の本。
ビル・ゲイツと働いてた人じゃん!
世界で通用する仕事術ってことだ!
という理由で手にとってみた本です。
それでは、紹介していきます。
仕事が終わらない人はラストスパートをかける
なぜ、あなたの仕事は終わらないのか?
本書では、仕事が終わらない人の特徴を3つあげています。
- 安請け合いする
- ギリギリまでやらない
- 計画を見積もらない
私が、そのなかで特に印象に残ったのが、
「締め切り間近に頑張ればどうにかなる」というラストスパート思考は諸悪の根源だ。
日本人は、徹夜でラストスパートをかけ終わらせようとする人が多いそう。
反対に、アメリカ人は朝早く会社に行き、定時に帰る。
「ラストスパート」と「スタートダッシュ」で対照的です。
この対象的な理由は文化の違いにあるそう。
人目が気になって定時に帰りにくい。
遅くまで残っていれば、頑張っている感じになる。
夕食は家族そろって食べるべき。
家族の時間を大切にしないヤツはダメ。
たしかに、アメリカでは「家族そろって映画を見つつピザ」というイメージが浮かんできます。
また、日本では頑張っている雰囲気が評価されるというのもうなずけます。
違いはわかったけど、本当にラストスパートは悪いの?
「日本は就業時間が長く生産効率が悪い」と言われています。
公益財団法人日本生産性本部の「労働生産性の国際比較」によると、日本の労働生産性はOECD加盟国38カ国のうち27位。
アメリカの6割程度の水準らしい。
さらに、徹夜を避けるべき研究結果あります。
それは、「一晩眠らないとIQは1標準偏差さがる」ということ。
つまり、徹夜するとパフォーマンスは学習障害がある場合と同程度まで低下するということ。
徹夜の経験がある人なら、パフォーマンスが落ちるのは感じたことがありますよね?
でも、まさかここまで落ちるとは想像していませんでした。
やっぱり、ラストスパート思考は見直すべきでしょう。
時間を制する者が世界を制する
著者はアメリカのマイクロソフト本社で「コイツは天才だ!」という人たちを多く見てきたそうです。
そこで、天才たちを出し抜くために考えたのが、時間を最大限に効率的に使うこと。
時間は平等に与えれれているからね。
時間を効率的に使い、締切を必ず守ることを徹底した結果、伝説のプログラマーと呼ばれるようになったのです。
締切を守るのは当たり前のことじゃん。
そう思った方も多いはず。
しかし、著者の経験上、「常に」「必ず」守れる人は全体の10%にも満たないそう。
みなさんは、こんな経験ありませんか?
期日までにプレゼン資料を完成させて、いざ発表の場へ向かう途中、
人数分のコピーを忘れてた!
10時の待ち合わせに間に合うように、10分前につく電車に乗ったけど
電車が遅延して間に合わない!
本書は、ここで意識を変える必要があるとしています。
あなたの仕事はプレゼンを完成させることではない。
プレゼンを発表することだ!
あなたの仕事は10時に間に合う電車に乗ることではない。
待ち合わせ場所に間に合うことだ!
解決策は、締切の前に締切をつくること。
プレゼンであれば、前日に会議室に資料を並べるところまで用意しておく。
待ち合わせであれば、30分前に徒歩圏内のカフェに入る。
締切を守るという当たり前のことを繰り返し続けることで、大きな評価につながるのです。
逆に、期日を守れなかったときのデメリットは大きく、
アイツに仕事を任せるのは不安だ。
と、信頼を失うことになります。
つまり、期日を守ることはリスク管理に繋がるのです。
会議は3分前に到着でOK。
待ってる時間が長いと、それは無駄な時間になるから。
今までは、こんな感覚でいました。
しかし、予想外の理由で遅刻することもあります。
「エレベーターがなかなか来ない」
「向かう途中で、話しかけられる」
今後は、予想外の時間ロスも計算に入れて行動していこうと思います!
著者がおすすめするロケットスタート時間術
本書では、「締切を守る」「ラストスパートしない」ために重要なことは、まず取りかかるべきだと。
なぜなら、手を付けてみないと、どのくらいで終わるか見当がつけられないから。
具体的な方法は以下のとおり。
①決められた期間の始めの2割で全力をつぎ込む(期間が10日なら2日間)
②始めの2割の期間で8割を完成させる(形にすることが大事)
③2割の時間で8割が完成しなければ、期限内に終えるのは無理だと判断する
まさに、ロケットスタートですね。
その仕事だけに集中し、始めの期間でほぼ形にする。
そして、残りの期間でゆっくり時間をかけて8割から10割に近づけるイメージです。
まだ期間があるんだから余裕でしょ。
こんなふうに、追い込まれるまで危機感を感じない人は多いはず。
夏休みの宿題が典型的な例です。
あと3日で休みが終わる!
自由研究なにしよう!?
多くの人は子供のころから「ラストスパート思考」が染み付いているのかも。
社会人としては締切を守るのは当たりまえ。
でも、当たり前を続けるだけで、上位10%に入れる!
こう考えれば、スタートダッシュ思考に変えたほうが得策だと思えてきます。
「ラストスパートの典型である徹夜はすべきではない」
そう説明しましたが、例外もあるようです。
それは、始めの2日間のうちで仕事がノッているとき。
仕事がノリノリでできるときに限っては徹夜をするほうが効率的なんだって。
以前、『眠れなくなるほど面白い睡眠の話』という本を紹介しました。
そこに、どうしても徹夜をする場合の方法があったので紹介します。
①最初に眠気を感じた時に眠る
②90分が過ぎた頃に起きる
最初のノンレム睡眠(約90分)は、睡眠の中で最も大事な時間。
「黄金の90分」と呼ばれるこの時間を確保できれば、体の最低限必要なメンテナンスは整う。
ただ、できる限り徹夜は避けるべきだと。
- 記憶が定着しづらい
- 思考力や判断力が鈍る
- 体調を崩す
といったデメリットが多いからです。
まとめ【なぜ、あなたの仕事は終わらないのか】中島聡
- 仕事が終わらない人の特徴は、ギリギリまでやらないラストスパート思考
- 時間を効率的に使うことで、優秀な人たちを出し抜ける
- 締切までの始めの2割の期間で8割を完成させる意識を持つ
他のビジネス書に比べて、体験談や具体例が多い印象をもちました。
ただ、それにより主張がより引き立っているのと、読みやすさにも繋がっている感じ。
そして、仕事が早く終われば人生が充実するということを教えてくれる本でした。
私は、今まで締切を守ることに対しての意識が低かったのだと痛感しました。
逆に、締切を守ることに超シビアになることができれば、周りの優秀な人たちも出し抜ける。
そのために、「任された仕事はすぐ取りかかる」ということを実践していこうと思います!
・ロケットスタート時間術が生まれたきっかけ
・ロケットスタート時間術の習得方法
・時間を制する者は、人生を制す
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。