孫子の兵法に興味がある。
でも難しそうで手が出ない。
こんな人におすすめ。
本書は、世界最高の人生戦略の書『孫子の兵法』をビジネスに役立てられるようにマンガで解説。
歴史の授業は大嫌いだったけど、マンガなら学べるかも。
という気持ちで手にとってみた本。
それでは、紹介していきます!
孫子の兵法とは?
孫子って誰?
兵法って何?
歴史が大嫌いで一切学ぼうとしてこなかった私は、ここから始まります。
著者の孫武のこと。孫武は、呉国の発展に大いに貢献した名称軍。
将軍達が兵士達を使って効率良く戦う方法のこと。
「孫子の兵法」が出現する以前は、戦の勝敗は運に左右されるという考え方が主流だったそう。
だが、孫子は過去の戦の研究を行い、
「勝敗には様々な法則や理論的な根拠が影響している!」
ということを明らかにした。
それをまとめたのが「孫子の兵法」であり、孫子が最も言いたかったのは「戦わずに勝つのが一番」ということ。
昔の武将やナポレオンだけでなく、現在でもアメリカ軍で教科書として参照されているそう。
ビル・ゲイツがビジネスに活用するために愛読していることでも知られている。
なかでも、私の心に刺さった明言を3つ紹介していきます。
名言1 様々な視点から考えて判断するべき
智者の慮りは、必ず利害を雑う。利に雑うれば、而ち務は信なる可し。
害に雑うれば、而ち患いは解く可し。
私のリハビリの仕事に置き換えて考えてみます。
例えば、認知症の患者さんに車いすを漕ぐ練習をする場合。
こんなメリットが考えられます。
操作を覚えれば、患者さんの行動範囲を増やすことができ、生活の自由度が上がる。
ただ、これで「よし!練習開始!」ではいけないということ。
デメリットにつても熟考しなければいけません。
デメリットは、
認知症がゆえに介護者の目の届かないところで危険行動をしてしまう可能性が高まる。
このように、良い面だけでなく悪い面も考えておけば、対策を事前に打つことができます。
もし仮に、メリットしか考えずに車いすの操作を習得させたとします。
そして、患者さんが目の届かない場所で転倒してしまえば介護者から、
リハビリが逆効果になった!
と言われてしまうこともあるでしょう。
だからこそ、一方向だけで見るのではなくデメリットにも目を向ける。
デメリットを事前に知っておくことで、予期せぬ出来事に困惑することもなくなります。
ということで、物事を判断するときは両面を見て判断すべき。
一方向だけでなく、様々な視点から物事を考える癖をつけれるようにしましょう。
名言2 事前の準備を自信に変えて待つべき
用兵の方は、その来たらざるを恃むこと無く吾が以って待つこと有るを恃むなり。
例えば、自然災害への備えにも同じことが言えるでしょう。
地震や火災・洪水などの災害は、いつどこで起きてもおかしくないもの。
また、人命にかかわるとても怖いものです。
ただ、頻繁に経験するものではないため、「すぐ来ることはないから大丈夫」と楽観的になってしまうことも。
実際、学校や会社での防災訓練に100%本気で望める人はなかなかいません。
孫子と同様に、備えが重要であることを示したのが、911同時多発テロ。
ワールドトレードセンターに入っていた、メリルリンチ社という大手証券会社があります。
この会社は、事件の4か月前に、本社機能停止に備えて模擬訓練を実施していたのです。
そして、実際の行動が以下のとおり。
8時45分:ワールドトレードセンターに1機目が衝突
8時52分:対策本部を発足し行動開始
9時3分:2機目の飛行機が衝突
9時5分:9000人の全従業員が避難完了
10時:ビル倒壊
7日後:8300人があらかじめ災害用に用意していた別の場所でバックアップデータを使い業務を再開
全員が無事に避難するだけでなく、建物が全壊した中で7日後には業務を再開しているのは驚きです。
これは、事前にBCP(業務継続計画)を作成し、訓練していたからこそできたもの。
これをきっかけに、日本でも事前の備えの重要性を強く推奨しています。
現在、私の働く業界では、コロナ感染症と災害用のBCPの作成が義務付けられています。
戦やテロ・災害など、大きな問題に直面した人ほど、事前準備の大切さを説いています。
この先人の知恵を無駄にしないよう、仕事に活かしていきたいものです。
名言3 相手を倒すことより味方にすることを考えるべき
敵を殺すものは怒なり。
敵の貨を取る者は利なり。
例えば、職場の人に嫌味や妬みを言われたり、意見を否定されたとき。
どうしても、怒りの感情が出てきてしまうでしょう。
どういい返してやろうか!
と、相手を攻める思考になってしまいがち。
でも、ここでまずは冷静になってみるべきだと。
言い返すことで、一時的に自分の気持ちがスッキリするかもしれません。
でも、今後を考えると得策ではないでしょう。
相手を攻撃してしまえば、再攻撃を受けるかもしれません。
また、相手を論破できたとしても相手は負の感情を持ち続けるでしょう。
だとしたら、攻撃してきた相手をどう味方にするかを考えるべきだと。
ただ、攻撃してくる相手は興奮しているわけです。
その相手を落ち着かせ、取り込むにはかなりの精神力が必要に思います。
自分の気持ちをグッと抑える自信がない。
私と同じように、難しいと感じる人が多いのでは?
そこで、孫武のことを思い出してみましょう。
孫子は戦で殺されそうになりながらも、その相手を取り入れることを考えていたのです。
まさに神メンタル!
仏の心!
それと比べてしまえば、
嫌味を言われたぐらい我慢するか。
そんな気持ちになれるんじゃないでしょうか?
今後は、孫子を思い返してまずはグッとこらえることから始めてみようと思います。
まとめ【まんがで身につく孫子の兵法】
- 良い面だけを見ずに悪い面にも目を向けて判断すべき
- 楽観的になることなく、しっかりとした備えを自信の源とすべき
- 感情任せに相手を攻撃するのではなく、冷静になって味方につけることを考えるべき
高校の日本史・世界史のテストで赤点をとるほど歴史が大嫌いな私。
そんな私でも、マンガなら苦にならず最後まで興味を保って読むことができました。
なぜ昔の中国の戦争の書物がビジネスの役に立つのか?
半信半疑で読み始めましたが、読んでよかった!
具体的な行動に落とし込むのは難しいけど、
「事前の準備を大切にする!」というような意識の変革は可能かと。
意識を改めれば、行動も変わるでしょうからしっかりと頭に残したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。