【眠れなくなるほど面白い睡眠の話】西野精治

「努力しているのに勉強や仕事をなかなか覚えられない」

「仕事や勉強が忙しくどうしても寝る時間が遅くなる」

「朝起きるのが辛い」

本書では睡眠の質を高める方法と睡眠に関する雑学を学ぶことができます

睡眠の質が高まれば最高のパフォーマンスを発揮できるようになります

パフォーマンスを高め、新たな自分の可能性を広げましょう!

監修はスタンフォード大学の医学部教授

「世界最高の睡眠研究機関」と呼ばれる睡眠生体リズム研究所の所長です

スポーツのパフォーマンスと睡眠についての研究にも力を入れています

そして、多くのアスリートから支持されている「エアウィーヴ」の開発研究にも携わっています

本書の構成

第1章:睡眠の新常識

第2章:睡眠の科学的メカニズム

第3章:黄金の90分の質を高める極意

第4章:お悩み睡眠別アドバイス

本書を読んで、私が特に興味深く感じたポイントを3つ紹介します

  • 日本人は世界一眠らない
  • 睡眠不足による経済損失は15兆円
  • 黄金の90分の質を上げる

それぞれ、詳しく解説していくので興味が湧いた方は読み勧めていただけると幸いです

経済協力開発機構(OECD)が加盟国の1日の平均睡眠時間を調査(2018)しました

その結果、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と最下位でした(多くの国は8時間以上)

これにより日本は世界一眠らない国の称号を獲得しました

睡眠時間が短い原因は想像の通り、夜遅くまで働いていることです

日本人は仕事の生産性が低いと言われることが多々あります

「長時間の会議」「残業すれば頑張っていると思われる風習」など古い習慣を変えることをせず、無駄な時間が多いのです

また、24時間営業の店舗が多いことも原因の1つです

睡眠時間が少ないことで以下の弊害が生じます

1.免疫力が下がり、感染症などの病気にかかりやすい

2.ホルモンバランスが乱れ太りやすい

3.目覚めが悪く、眠気や疲れがリフレッシュされない

4.日中のパフォーマンスが低下

5.交通事故や業務上のミス・トラブルが増える

このように、睡眠不足による弊害は多くあります

そのため、世界で活躍するような超一流の人は「睡眠」を意識しています

監修者が開発に携わったエアウィーヴ使用者として有名なのは浅田真央さん

他にも、北島康介さんなどオリンピックにエアウィーヴを持参する選手は多くいます

睡眠不足による経済損失は15兆円

損失の内容は「生産効率の低下」「ミスやトラブルの増加」「生活習慣病や精神疾患、がん、認知症のリスク増加」

日本ではこれらの損失が推計15兆円になるそうです

同じ先進国のイギリスは5.4兆円、ドイツは6.5兆円、カナダは2.3兆円

やはり他国と比べても日本の睡眠不足は経済に大きな損失を与えていることが分かります

睡眠不足の状態で仕事をしていても、「どれだけ生産効率が落ちてるか?」

「どれだけミスが増えているか?」は目に見えないものなので感じにくいかと思います

そこで、スタンフォード大学バスケ選手に行った実験を引用して紹介します

10時間睡眠をとるようになった選手は、パフォーマンスが向上しました

フリースローは0.9本分、9%アップ

3ポイントは1.4本分、9.2%アップ

さらに、負傷者も大幅に減ったそうです

睡眠は仕事のパフォーマンスや生活の質に大きく影響することがよくわかります

逆に言うと、満足のいく睡眠がとれていない人は、今よりも高いパフォーマンスを発揮できる可能性を秘めているのです

黄金の90分を手に入れる

質の良い睡眠を取るために一番大切なのは「入眠から最初の90分」

寝始めのノンレム睡眠はおよそ90分続く

ここでしっかり眠れると、その後の睡眠の質も良い状態になる

そのため、最初の90分を監修者は「黄金の90分」と呼んでいる

黄金の90分(最初のノンレム睡眠)の特徴

①ノンレム睡眠は一晩で4〜5回繰り返されるが2回目以降のノンレム睡眠が1回目より深くなることはない

→最初の90分間の質が悪いと、その後の睡眠の質も悪くなる

②一晩で放出される成長ホルモンの70〜80%が最初の90分に分泌される

→最初の90分の質が悪いとホルモンの分泌量が低下

黄金の90分を手に入れる方法

「夜、眠気がやってきたタイミングで寝る」

夜になると眠くなり、朝になると目覚めるという自然現象に従うということです

多くの人が夜ふかしや徹夜で自然現象に逆らっています

眠くなる時間を過ぎてから寝ようとしても、今度は目が覚める時間が迫っているため睡眠の質は落ちてしまいます

本書では、他にも最初の90分の質を良くするための方法をいくつか紹介しています

どうしても徹夜する場合

①最初に眠気を感じた時に眠る

②黄金の90分が過ぎた頃に起きる

すると、短い睡眠でも最初のノンレム睡眠を確保でき体の最低限必要なメンテナンスは整う

どうしても徹夜する場合のポイントをあげました

しかし、できる限り徹夜は避けましょう

なぜなら、「記憶が定着しづらい」「思考力や判断力が鈍る」」「体調を崩す」など多くのデメリットがあるからです

脳の司令塔である大脳は起きている間ずっと働いており、眠ること以外で休息ができません

そのため、徹夜は最終手段だと考え、徹夜をしなくてもいいように計画的に仕事や勉強を進めましょう

まとめ

1.日本人は世界一、睡眠が短い

2.睡眠不足はパフォーマンスに大きく影響

3.寝始めの90分が睡眠の質を決める

本書では上記で紹介した内容以外にも、面白い話をたくさん紹介しています

例えば、「ショートスリーパー、ロングスリーパー」の話

「休日の寝だめは有効か?」「クマと同じように人も冬眠可能?」など

題名の通り、面白い雑学のような話から本当に役立つ睡眠のコツまで幅広い内容になっています

そのため、私のように睡眠に不便は感じていないけど、ちょっと興味がある程度の人でも楽しめます

睡眠不足の人の中には、自分の本当の能力に気づけていない人もいるかも知れません

質のいい睡眠を手に入れ、自分の最高のパフォーマンスを発揮しましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました