【書評】ドリルを売るには穴を売れ 佐藤義典

こんな本

マーケティングの最重要項目である「顧客にとっての価値」とは何かを学べる本。

【ストーリー】

入社したてでマーケティングの知識ゼロの主人公は、廃業寸前のレストランの再建を任されることに。

現場からの信頼も得られず、悪戦苦闘。

マーケティング業界で活躍する従妹の力を借りつつ、少しずつ知識をつけて成長していく物語。

【著者について】

職業:コンサルティング会社代表

著書:「実践マーケティング戦略」「白いネコは何をくれた?」など

・アメリカの大学でMBA取得

・様々な企業の大手でコンサル実績あり

・分かりやすいマーケティング指導に定評

Bすけ
Bすけ

マーケティングを習ったことはあるか?

リトル
リトル

いえ。ないです。

専門的な分野ですからね。

理論的で難しいイメージです。

Bすけ
Bすけ

意外と考え方自体は簡単なんだ。

その考え方について説明していくぞ。

何か物を買うとき、いろいろと頭で考えているだろう。

「自分にとって必要なものか?」

「この店より安い店はないのか?」

このような買い手の判断を体系化したのがマーケティングだ。

しかし、売り手になったとたんに、ほとんどの人が買い手の考え方を忘れてしまう。

例えば、ドリルを売りたい場合。

買い手はドリルが欲しいなんて思っていない。

ドリルが欲しい人は、穴をあけるものが欲しいだけなんだ。

ドリルは単なる手段でしかない。

つまり、買い手にとってドリルではなく穴が価値になるんだ。

価値のことを、ベネフィットと言う。

ベネフィットはマーケティングのなかで最も重要な要素だ。

リトル
リトル

ちょっと難しくなってきました。

顧客にとってのベネフィットってどう考えるんですか?

Bすけ
Bすけ

人間の欲求について考えるといいぞ。

本書では以下の3つに分けて考えることを勧めている。

生存欲求(生きるためのお金が欲しい、美味しいものを食べたい)

社会欲求(チヤホヤされたい、異性にモテたい)

自己欲求(成長したい、こだわりを貫きたい)

Bすけ
Bすけ

自分が売りたい商品は、相手のどんな欲求を満たせるのか?

ここが、売り手が最も考えなければいけないところだ。

1つの軸に特化することで差別化を図る

Bすけ
Bすけ

ベネフィットの次に考えなきゃいけないのは差別化だ。

リトル
リトル

競合他社に競り勝つためですね?

Bすけ
Bすけ

そうだ。

3つの差別化戦略を紹介しよう。

・手軽軸(安い・早い・便利)

・商品軸(ゴージャス・高級)

・密着軸(自分の好み・馴染み)

この3つは、顧客が商品を選ぶ理由でもある。

例えば、外食に行く場合。

店を選ぶ理由を挙げてみよう。

①忙しいから早く済ませたい

②記念日だから特別なものを食べたい

③気軽に落ち着いて食事したい

①が行く店は、マクドナルドや牛丼チェーンだ。

これらの店は、早く・安く提供することを重視している。

つまり、手軽軸の店だ。

②が行く店は、フレンチや高級イタリアンだ。

これらの店は、美味しい料理を高級な雰囲気で楽しめることを重視している。

つまり、商品軸の店。

③が行く店は、個人経営の居酒屋や家庭料理の店。

これらの店は、気兼ねなく落ち着け、客に合わせた対応を重視している。

つまり、密着軸の店。

売り手は、3つの軸のどこに重点を置くかを考える必要がある。

当然、全てに重点を置くことは不可能だ。

注目

・どこか1つで必ず勝てる状態を目指す

・他の軸でも平均以上の点数をとる

【まとめ】ドリルを売るには穴を売れ

  • 重要なのはどんな価値を提供できるかを考えること
  • 価値は人間の欲求に従って考える
  • 3つの軸で差別化を考え、1つに特化する
Bすけ
Bすけ

普段から、3つの欲求のうちどれを満たす商品なのか考えると勉強になるぞ。

リトル
リトル

今まで考えたこともありませんでした。

でも、そんなに難しくなさそうですね!

Bすけ
Bすけ

うむ。

タメになったと思ったら、さっさと本を買いに行け!

リトル
リトル

ありがとうございました。

では、行ってきます!