受験勉強がうまくいかない。
スキルアップのための勉強を始めたい。
学生から社会人まで、すべての世代の学ぶ意欲のある人におすすめ。
本書は、エビデンスに基づく効果的な『学び方』を◯×形式で解説。
勉強の方法なんて学んだことなかった。
今更だけど知りたい!
という気持ちで手にとってみた本。
それでは、紹介していきます!
最期に後悔するのは「もっと勉強すればよかった」
勉強を始める前に、まだ踏ん切りがつかない人に知っておいてほしいことがあります。
それは・・・
人は死ぬ間際に「もっと勉強すればよかった」と後悔する。
そのエビデンスはこちら。
1989年、アリゾナ大学のリチャード・キニアの調査。
20歳以上の316名を対象に、
「人生をやり直せるとしたら、どの分野で違うことをしますか?」と質問。
1位:もっと一生懸命教育を受ける(39%)
2位:もっと積極的に生きる(24%)
3位:もっと自分を管理する方法を知る(17%)
どの世代においても「もっと勉強をしておけばよかった」と後悔を覚えていたのです。
終末医療の現場では、「もっと遊んで楽しめばよかった」という声が多いそう。
「勉強しておけばよかった」という結果と正反対のように感じますが、真相は同じです。
なぜなら、遊んで楽しむために必要な手段が「勉強」だから。
勉強をして自分のスキルや知識を高めれば、給料の高い仕事につけます。
また、お金に余裕ができれば自分の時間をもつこともできます。
つまり・・・
「人生をもっと楽しむために、もっと勉強すればよかった」
これが、真相ではないでしょうか?
たしかに社会人になると時間がありません。
ただ、学生の頃と違って何をどう学ぶかは自由です。
だからこそ、「学び方」を知ることで学生時代の何十倍も効果的な学習ができる。
人生を後悔しないために、大人になっても勉強を継続しましょう。
最も効果的な勉強方法は、「思い出す」練習である
試験では、極度の緊張から
「頭が真っ白になった!」
「覚えたはずなのに思い出せない!」
なんて話はよく聞きます。
でも、緊張するなと言われても、それは無理な話。
だから、「思い出す」練習が不可欠になります。
具体的には、覚えたい内容を一読したら、何も見ずにそれを思い出すという練習方法。
シンプルすぎない?
本当に効果ある?
と、疑いたくなりますよね?
そのエビデンスはこちら。
パデュー大学のジェフリー・D・カルピッキーらの研究。
ラッコに関する記事を5分間読んでもらい、1週間後に内容を問うテストを実施。
テストまでの1週間、参加者は次の4グループに分かれてテスト対策をした。
A:なにもしない
B:4回記事を読み直す
C:記事を1回だけ読み直し、「コンセプトマッピング」という手法で、記事の内容を図解でマップのようにする
D:何も見ずに思い出したことを書き出す。その後に記事を読む。これを2回繰り返す。
1週間後のテスト前に、各グループに自信を尋ねた。
最も自信を示した:Bグループ
最も自信がなかった:Dグループ
しかし・・・
最も成績が良かった:Dグループ
(効果の有りそうなCグループより50%も高い成績)
シンプルだから簡単そうに思えるけど、何も見ないで思い出すって実はかなり難しいこと。
難しいからこそ、脳内で記憶の整理が進み理解をともなった長期記憶に変わると。
覚えたいことを見ながら、ひたすら書く。
この方法は、頭を使いません。
その分、手を使うので「いっぱい書いたぞ」と満足感を感じられます。
今思えば、頭を使わない楽な方法に逃げていたということ。
反対に、「思い出す」勉強はしんどいし時間がかかる。
しかも、なかなか前に進んだ気にならないので満足感も感じにくい。
けど、どの勉強法よりも成果は得られやすい。
ということで、これからは楽で満足感が得られる勉強法に逃げない。
しんどいけど、効果の得られる「思い出す」勉強法を取り入れていきましょう!
間違えた問題の「解き直し」を最優先にする
問題の解き直しって面倒だと思いませんか?
間違えたものに向き合うって、精神力が必要だから避けたくなりますよね。
できれば、そんなことより早く次の単元に進みたいと思いがち。
でも、それでは学習効果が薄いと。
なぜなら、人は間違いを修正することで成長するから。
やたらに経験だけ重ねても、間違いを修正できなければ成長はしない。
そのエビデンスはこちら。
ハーバード大学のフランチェスカ・ジーノらの研究。
256名の参加者がパズルに2回挑戦。
1回目と2回目の間のインターバルで、次の2つのうち好きな行動をとってもらう。
A:1回目の戦略を振り返り、2回目に向けた改善案を書き出す
B:同じタイプの別のパズルで実践を重ねる
82%の参加者がBを選択。
しかし・・・
成績が良かったのはAグループ。
(Bよりも20%多く正解)
やっぱり、ほとんどの人が解き直しは面倒だと感じる結果に。
でも、解き直しをしたほうが成績がよくなる。
私も、今まで解き直しを軽視してきました。
ひたすら過去問を解いては、簡単な答え合わせで次に進んでしまっていたのです。
なぜなら、量をこなせばこなすほど勉強をした気になれるから。
でも、失敗から学ぶべきというのは過去に多くの人が証明してきていること。
だからこそ、こんな言葉がたくさん名言やことわざとして残されています。
「失敗は成功のもと」
「トライアンドエラー」
「No pain, no gain」
勉強も同じで、問題を解いたら答え合わせをする。
そして、間違えた問題を定期的に解き直す機会をつくる。
これが、効果の高い勉強法だと。
これからは、先に進むことよりも間違いを正すことに時間を費やしていきましょう!
まとめ【何歳からでも結果が出る 本当の勉強法】
- 人は最期に「もっと勉強すればよかった」と後悔する
- 覚えたいことを「一読したら思い出す」という勉強法が効果的
- 間違えた問題の「解き直し」が成績向上のカギ
本書の構成は以下のとおり。
第1章:勉強を始める前の心構え
第2章:学習目標や計画の作り方
第3章:具体的な勉強方法
第4章:自分の勉強を評価する方法
第5章:勉強方法をさらに改善する方法
全部で46の項目すべて、◯×形式で解説されています。
多くの人が誤解している方法が【×】。
エビデンスに基づく正しい方法が【◯】。
1つの項目は2〜3ページに簡潔にまとめられていました。
そのため、自分の必要なところだけをピンポイントで目次から探して読むことができます。
勉強方法を学んでこなかった私は、やはり【×】ばかりに該当。
ただその分、「学び方を変えれば今までよりも高い成果が出るかも」と今後の自分に期待がもてるようになりました。
学ぶ意欲があるすべての世代におすすめできる1冊です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。