本を読んでも、何も変わらない。
読んだ内容をすぐ忘れてしまう。
効率的なインプット方法が知りたい。
本書は、そんな悩みをもつ人におすすめの本。
日本一アウトプットする精神科医が『アウトプット大全』に続いて出版。
限られた時間で、良質な学びを手に入れる、効率的なインプット方法を紹介しています。
アウトプット大全は読みたかった本。
でも、まずはインプットからだな。
という理由で手にとってみた本。
それでは、さっそく紹介していきます
本書では、インプットの方法を紹介する前に知っておいてほしいことがあると。
インプットで重要なのは、量より質である。
質が確保できて、はじめて量を意識すべき。
月に1冊、気づきと学びが多い本を読む人
月に10冊、学びが得られない内容の薄い本を読む人
どちらが、効率的に成長できるでしょうか?
当然、月1冊でも学びが多い本を読む人です。
ということで、本書では「質に重点を置いたインプットの方法」を紹介しています。
今月は20冊も読んだぞ!
来月は30冊が目標だ!
このように、目的が「量を読むこと」になってしまっている人は注意。
満足感は得られますが、けっきょく成長にはつながらない。
質をおろそかにすると、インプットにかけた時間さえも無駄になってしまう。
ちょっと待った!
量質転化の法則って聞いたことあるよ!
量を積み重ねると質に変わるという意味。
すべてに、この考えが当てはまるとは限りません。
例えば、「字がうまく書けるようになりたい」というとき、
1.雑に何回も繰り返し書く
2.丁寧にゆっくり書く
この場合、雑に何度も書いて上手にはなりませんよね。
もし、量をこなして上手になるのなら、小学校からずっと字を書き続けてきた私たちはみんな上手になっているはず。
つまり、量質転化の法則も「質が確保できてはじめて言えること」というのが私の意見。
私もブログやインスタで本の紹介をしていると、
このインスタグラマーは1日1冊のペースで紹介してる!
私ももっといっぱい読んで、紹介しなきゃ!
と、焦ることがあります。
でも、それでは本末転倒。
目的は、読んだ本を自分に役に立てること。
まずは、しっかりと読んで自分が行動に落とし込む。
「量を意識するのは質が確保できてから」ということを再認識できました。
前を向いて聞く、メモを取るのは本当に大事な場所だけ
それでは、本書のインプット方法の中から、私の印象に残ったものを紹介していきます。
セミナーや勉強会では、話している人の顔を見て聞く。
メモは本当に大事な場所だけにする。
頭のいい人はメモをいっぱいとっているイメージだけど・・・
私もそう思っていましたが、話している人の顔を見ることにメリットがあるそう。
そのメリットとは、非言語情報を得られること。
非言語情報とは、講師の表情や仕草のこと。
あるいは、そこから読み取れる講師の思いなど。
非言語情報を読み取れると、感情をゆさぶることができます。
急に気持ちがこもった話し方になったな。
ここがいちばん伝えたいことなのかも。
おもしろい例え話だな。
このように、感情が伴うことで記憶に残りやすくなります。
テレビの記者会見では、みんな必死にメモをとってるよ。
学校の授業でメモをとっていたのは無駄だったの?
『バナナの魅力を100文字で伝えてください』で紹介されていたことですが、
記者がメモを必死にとる理由は、集中力をあげるためなんだって。
けっきょく、メモを見返すことはなく、ほとんどが頭の中に入っているそう。
また、学校の授業に関して、著者はメモをとったほうがよいとしています。
それは、重箱の隅をつつくような試験が出るから。
つまり、学校の授業と、社会人になってからのセミナーや勉強会は別ってこと。
セミナーや勉強会の目的は、自分の行動を変えるような気づきを持ち帰ること。
だから、すべての内容を記憶する必要はない。
気づきを、少しでも記憶に残せるようメモは最小限に。
ノートを見る時間と講師の顔を見る時間は3:7を意識しよう。
インプットとアウトプットの黄金比は3:7。
これは、コロンビア大学の心理学者アーサー・ゲイツ博士の実験でも明らかになっている。
精緻化リハーサルでインプットを飛躍させる
精緻化は、覚えやすく、忘れづらく、思い出しやすいという最強の記憶術である。
人の記憶システムは2種類あるそう。
- 維持リハーサル
- 精緻化リハーサル
何度も繰り返して覚えること。
例えば、聞いたばかりの電話番号を覚えるために、何度も繰り返して口にする。
記憶が長く保持されにくく短期的に終わる事が多い。
情報を複雑化しボリュームを増やすことで覚えること。
例えば、語呂合わせ。
「794年に平安京へ都を移した」
これを「鳴くよウグイス平安京」と覚えたように、他の知識と結びつけて情報量を増やす。
精緻化リハーサルこそが、「覚えやすい・忘れづらい・思い出しやすい」最強の記憶術。
実際に、仕事ではどう活用するの?
例えば、病院に努めている人が、コロナ感染症のマニュアルを覚えなければいけないとき。
ただマニュアルを眺めていても、実際に陽性者が発生したときにマニュアルを思い出すことはできないでしょう。
そこで、情報ボリュームを増やすために、
- 過去のクラスターの事例と関連付ける
- 図や表にまとめる
- 写真を使う
- 疑問点をまとめる
- 覚えたことを他人に説明する
といった方法で、情報量が増え記憶に残りやすくなります。
私は、学生時代から日本史や世界史など記憶が大嫌いで苦手でした。
記憶って根気でしょ?
興味のないものを覚える努力はできない!
そう思っていましたが、メカニズムを意識することで効率的なインプットができる。
社会に出ると、興味はなくても覚えなきゃいけないことはたくさんある。
- 言葉遣い
- 礼儀
- 社会情勢
- 税金や保険の仕組み など
今後は、精緻化リハーサルを意識して長期記憶にできるよう工夫していきたいところ。
まとめ【学び効率が最大化するインプット大全】樺沢紫苑
- インプットは量より質を先に確保すべき
- メモよりも、話している人の顔を見る
- 覚えやすく・忘れづらく・思い出しやすい精緻化リハーサルで記憶に留める
読書や勉強など、なんにしても量をこなしたほうが満足感は得られる。
だから、今まではつい、量をこなすことに一生懸命になってしまうことも。
しかし、本書を読んで、
インプットの目的はアウトプットすること!
ということを改めて意識していこうと感じました。
本書は、DaiGoさんの『知識を操る超読書術』に通じるものが多くありました。
例えば、「量より質」「感情を利用した記憶術」「目的の設定」など。
通じるものは、やはりどれも科学的に証明されたこと。
根拠のあるものは素直に受け止め、実践していきたいところです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。