本書は、多くのコンサルティング案件や人材育成を手掛けてきた著者が、ファシリテーションの技術を紹介した本。
本サイトでも紹介した、『マンガでわかる必ず伝わる!ロジカル会話術』の第二弾です。
ファシリテーターってかっこいいな。
できるようになりたいな。
という理由で手にとってみました。
それでは、内容を紹介していきます!
ファシリテーションが身につくと周りから信頼される
会議や話し合いにおいて、参加者から意見を引き出したり、問題解決・合意形成を進めること。
その役割を担う人をファシリテーターと呼ぶ。
会議の場において、優れたファシリテーターがいると以下のようなメリットがあります。
- 立場に関係なく誰もが発言をできる
- 参加者の納得度が高まる
- 会議で決定したことが明確になる
1.立場に関係なく誰もが発言をできる
ファシリテーターは、参加者が主役となるよう発言しやすい雰囲気をつくりだします。
すると、普段は発言を控える人もふくめて全員が意見交換に参加することになります。
それにより、当事者意識が高まり、より活発な意見交換につながります。
・参加者の納得度が高まる
参加者の発言が活発になるほど、意見が議題からそれるなど、まとめるのに苦労します。
そんなとき、議題と意見の関係性を明確にしたり、発言内容を要約したりすることで、参加者の理解度が深まります。
みんなが納得した結論になれば、参加者は次の行動にスムーズに移ることができます。
・会議で決定したことが明確になる
議論を俯瞰し、結論に向かって筋道を作ることでしっかりと結論がでます。
そのため、「結局、何が決まったの?」と曖昧なまま会議が終了することはありません。
こんなメリットを与えられれば、周りから信頼されること間違いなし。
でも、身につけるのはかなり難しいだろうな。
著者は、ファシる技術とは「考える力」と「コミュニケーション」の組み合わせだとしています。
両方ともビジネスに必要な基本的なスキルです。
そう考えると、ちょっとだけハードルが下がるでしょうか?
それでは、ファシる技術の中で印象に残ったものを紹介していきます。
お互いが見落としている点を探す
2つの意見が対立しているときに有効なのが、お互いが見落としている点を探すこと。
そこで役に立つのが、「ジョハリの窓」という心理学モデル。
自分が知っている/知らない
他人が知っている/知らない
この4つの窓に区分けし分析していきます。
本書では、老人ホームでの騒音トラブルを例に説明しています。
おじいさんあんたの部屋から騒音がする!
おばあさん私は騒音なんか出してない!
Bすけ私が解決しましょう。
Bすけ原因は施設の洗濯機でした。
音が増幅されて、隣からの音に聞こえたのでしょう。
おじいさんすまなかった!勘違いだった。
おばあさん気にしなくていいのよ。
このように、盲点をあぶり出すことで、その盲点がお互いの意見の合意形成につながります。
自分の立場では知らなくて当然のことであれば、素直に認めざるを得なくなりますよね?
「知らなくて当然のこと」っていうのがキモなのかも。
素直に認めるための、逃げ道をつくってあげる感じ。
難しそうだけど、これができると効果は大きい。
3つの間をつかむ
「空間」「時間」「人間」を意識する。
空間:相手との距離、お互いの体の向き、目線を考慮すること。
ファシリテーターを中心に、参加者がお互いに見えやすい座席配置を整える。
時間:相づちの打ち方、質問の投げ方、タイミング。
要約するような相づちで参加者と意見の共有をはかる。
つまり、こういうことですね?
相手の意見のあとに、少し間を置くことで「聞き流さずに、よく考えていますよ」という印象を与える。
・・・。
確かに、それは重要ですね。
相手の意見の根拠を知りたいときに、「なぜですか?」ではなくソフトな言葉で意見を聞きだす。
と仰いますと?
人間:相手を知ること。
初対面の人を相手にするときって緊張しますよね?
だから、まずは普段から相手を知ろうと意識しましょう。
人柄や、仕事において何を優先しているのかなど思考の癖を読みとります。
そうすることで、相手が返してくるであろう反応や意見にある程度の予測がつきやすくなります。
私は相手の心理状態を考えるのが好きなので、相手を知ろうとすることはやっています。
- 患者さんを中心に考える人
- 自分たちの業務スピードを重視する人
- 本音を押し殺して、正しい考えをつらぬく人
人によって何を中心に考えるかが違うので、全体に向けて発信した意見でも、帰ってくる反応は様々です。
そのため、提案をするときは選択肢を1つに絞らずに提示するなど工夫をしています。
相手を知ると、反応に予測がつくので、どんな意見が帰ってこようと冷静でいられます。
まとめ『マンガでわかるファシる技術』船川淳志
- ファシる技術は会議の参加者の満足度を上げ、信頼を得られる
- 盲点をあぶり出す「ジョハリの窓」で意見の対立を解消
- 3つの間(時間・空間・人間)をつかみ会議を円滑にする
私の職場では、ほとんどの会議はただの報告会となってしまっているのが現状です。
自分の専門分野が活かせる会議においては、少しずつファシリテーターを買って出る勇気をだしてみようと思います。
- 会議での発言者を増やす
- 参加者の納得度をあげる
- 会議での決定事項を明確にする
これらのことが1つでも多くの会議で実践できると、少しずつ会社も良い方向に向かっていくと思います。
あいつがいない会議は締まらないなぁ。
こんな存在になれることを理想として、ファシる技術を磨いていきたい!
そう思わせる1冊でした。
・自己開示で相手の心を開く
・発言に耳を傾ける
・思考のアルゴリズムを意識する
・TALAを高速回転させる
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。