スタバ・ドトールなどコーヒー業界での販売戦略を通して、物語で分かりやすくマーケティングを学べる本。
【ストーリー】
その場の勢いで会社をやめてしまった主人公のさくら。
偶然のきっかけから、知識ゼロのコーヒー業界で働くことに。
スタバ・ドトール・マックなどそれぞれの会社には緻密な戦略があった。
マーケティングを少しずつ学び、伸び悩む自社の発展に挑む物語。
【著者について】
職業:マーケティングコンサルタント、作家、講演家
著書:『戦略読書』『ビジネス書の使い方』など
・マーケティングやマネジメント理論を学べるオンライン塾を経営
・企業や団体に対する事業開発の支援を行う
・具体的で実践的なセミナーは高く評価されている
ドトールコーヒーから学ぶブルーオーシャン戦略
昔、コーヒーは高級品だったんだ。
インスタントも缶コーヒーもなかった。
そんな時代があったんですか!?
コーヒーがない生活なんて考えられませんね。
コーヒーを生活に浸透させたドトールコーヒーの戦略の話をしよう。
ドトールは4つの戦略を駆使して、未開のブルーオーシャンにたどり着いた。
その戦略とは・・・
「増やす」「付け加える」
「取り除く」「減らす」
何かを増やすのであれば、代わりに何かを減らさなければパンクする。
ドトールは、「増やす部分」と「減らす部分」をうまく組み合わせたんだ。
【当時のコーヒーショップ】
1.客席で注文
2.ハンドドリップ
3.客席まで届ける
4.客席でゆったり
【戦略による変化】
1.レジで注文
2.マシンで自動ドリップ
3.レジで受け取る
4.立ち飲み
ドトールが上記を実現するために実行した4つの戦略がこれだ。
増やす | 注文してすぐに出てくる(利便性の追加) |
付け加える | 価格を他店の半額に |
取り除く | セルフサービス化(フルサービスの廃止) |
減らす | 立ち飲み形式(滞在時間を減らす) |
1970年代、コーヒーは毎日飲める安価なものではなかった。
しかし、ドトールによってビジネスマンの生活にコーヒーが定着。
ドトール自体も、客の回転率が上がり売上は倍増した。
サービスと客の滞在時間を削減したんですね!
なかなか勇気のいる選択ですよね。
そうだな。
もし、減らす部分でコーヒーの品質を下げていたら成功はなかっただろうな。
「美味しいコーヒーを飲んでほしい」という根本を崩さなかった。
コストを下げるために、コーヒーの品質は下げなかった。
主人公の会社「ドリームコーヒー」から学ぶ戦略
マーケティングでいちばん大事なのは何だと思う?
お客さんのニーズを把握することですかね?
それも大事だが、本書の答えは違う。
自社の「らしさ」を徹底的に追及することだ。
主人公の会社は、自社の「らしさ」を出すことを一貫して目指した。
その「らしさ」とは、コーヒー豆の輸入からお客さんへの提供まで一括して行っていたこと。
この強みを活かすことを考え続けたんだ。
実は、自社らしさを見つけることは意外と難しい。
お前は、自分の会社の強みを言えるか?
たしかに難しいですね。
他社と比べても強みと言えることってなかなか出てきません。
ドリームコーヒーでは、直営農園から品質管理を徹底し栽培・収穫されたコーヒー豆を使用。
そして、焙煎2日以内のコーヒー豆を店舗で挽く。
バリスタの技術を高めて技術の必要なネルドリップという美味しい淹れ方を採用。
それにより、高品質なコーヒーで非日常を味わえる店舗を実現させた。
今のコーヒー業界でも、このようなコンセプトの店は増えている。
昔は低価格戦略だったドトールもそうだ。
ドトールが運営する「星乃珈琲店」では、コーヒー1杯500円ほどで提供しているんだ。
コンビニやマックなど低価格で飲めるコーヒーは増えているから、戦略を変える必要があったんだ。
自社の強みを知り、徹底的にそれを活かす
【まとめ】戦略は1杯のコーヒーから学べ
- 価値を付け加えるなら、減らすことも考える
- 他社に負けない自社の強みをつくる
- 生き残る術は、強みを活かすこと
お前がコーヒーをその店で買う理由を考えると勉強になるぞ。
どんな目的でコーヒーを買うかによって、買う店が変わりますからね。
その買う理由が、その会社の戦略ということですね!
うむ。
タメになったと思ったら、さっさと本を買いに行け!
ありがとうございました。
では、行ってきます!