説明したのに伝わってない。
伝えたのに行動に移してもらえない。
頑張っているのに評価されない。
こんな経験ないでしょうか?
本書は、信頼される人の話し方が簡単にできるようにまとめた本。
著者は、コミュニケーションをテーマに多様な経験を積み、現在は大学の客員教授として教育にも力を入れている鶴野充茂。
説明能力がそのまま仕事能力として評価される時代。
自分の成果は自分で説明できなきゃ
という理由で手に取ってみた本です。
それでは、紹介していきます。
結論や大事なことから話し始める
頭のいい説明をするコツとは何なのか?
本書では、相手が聴きやすいと感じる順番で話すことが重要だと。
そのコツの1つが、「大事なことから話す」こと。
大事なことからって・・・
当たりまえじゃん!
そう思う人が多いでしょう。
しかし実際に、職場での会話を思い返してみてください。
私の職場では、結論より先に理由から話す人が多くいます。
相手が長々と理由を話している間、
最終的に何を言いたいのかな?
と、探りながら話を聞いていることが多々あります。
例えば、新しいチームのリーダーを任せたいという話をするとき。
昨日、事故対策会議に出たんだよ。
うちの部署では○○さんの転倒事故が多くて・・・。
他の部署でもこんな事故があがっていて・・・・。
同業の会社でもこんなことがあって・・・。
業界全体でも事故は増加傾向で、こんなニュースもあったし・・・。
そこで、各部署で対策班をつくることになった。
その、チームのリーダーを君に任せたい。
相手の話が自分にどう関係があるのか?
これでは、最後まで聞かないとわかりません。
あまりに前置きが長いと、いつの間にか他のことを考えてしまっていたなんてことも。
先に結論をもってくると、
新しいチームのリーダーを君に任せたい!
昨日の事故対策会議で、部署ごとに対策班をつくることになったんだ。
うちの部署では○○さんの転倒事故が多くて・・・。
他の部署でもこんな事故とこんな事故があがっていて・・・・。
同業の会社でもこんなことがあって・・・。
業界全体でも事故は増加傾向で、こんなニュースもあったし・・・。
はじめに「リーダーを任せたい」という結論を伝えると、
→大事なことが確実に伝わる
→理由や背景が自分ごとになる
→後半の話も興味を持って聞ける
話す順番を意識するだけで、伝わり方がまったく変わります。
仕事の際はこの順で話すことを意識する。
いずれは、無意識でもできるよう定着させたいところ。
大きな情報から説明
始めに大きな情報、次に小さな情報という順番で説明する。
大きな情報って?
大きな情報とは抽象的な情報のこと。
逆に、小さな情報とは具体的な情報のこと。
例えば、上司から任されているプロジェクトの進捗状況を聞かれたとき。
悪い例として、小さい情報➡大きい情報の順で話すと、
例のプロジェクト。
進捗状況はどうだ?
途中で機械に誤作動が起きてしまうんです。
そこで、原因を調べました。
その原因に対して、対策を練っているところです。
それが解決できれば、もう少しで終わりそうです。
これは、相手のことを考えていない説明です。
なぜなら、自分が話しやすいように時系列で話しているだけだから。
相手がいちばん知りたいことは何でしょう?
それは、進捗状況です。
ビジネスの場面ではみな忙しい人ばかり。
だから、始めに大きな情報で大まかな結論を伝える。
そこから、詳しいことを追加してあげるというイメージ。
大きな情報➡小さな情報の順で話すと、
全体の80%が終わっています。
今は、機械に誤作動が起きてしまうという問題の対策を練っているところです。
それが解決できれば、もう少しで終わりそうです。
これなら話がすっきりと入ってきて、忙しい相手にストレスを与えることもありません。
ビジネスの場面では、忙しい相手のことを考えた伝え方を心がけたいところ。
相手が第3者に説明することを意識する
相手がメモしやすい箇条書きを意識して話す。
なぜなら、説明は多くの場合、目の前の相手だけが対象ではないから。
会議にでる人のことを考えてみましょう。
出席者は、各部署の代表者です。
出席者の役目は、会議の内容を同じ部署の職員に申し送るところまで。
だから、第3者に説明することを意識する。
どうしたら、第3者に説明しやすくなる?
本書では、箇条書きを使うべきだと。
例えば、スマホのメリットとデメリットを説明する場合。
まずは、悪い例から。
スマホは操作性が高く、外出先でも気軽にネットにつなぐことができるというメリットがありますが、逆に便利すぎるがゆえにスマホばかりに依存してしまい、自分で考えることをしなくなってしまったり、本体の代金が高いというデメリットがあります。
この説明を聞いて、すんなりメモすべき場所が分かるでしょうか?
次に、箇条書きを意識した良い例。
スマホのメリットとデメリットはそれぞれ2つあります。
メリットは、
・気軽にネットにつなげる
・操作性が高い
デメリットは、
・依存する恐れ
・本体代が高いこと です。
これなら、すっきりですね。
できる人っぽい説明になり、頭がいい人という印象も与えられそうです。
このように、伝えるということは、相手を気遣って伝え方を工夫するほど伝わりやすい説明になります。
「伝える」ではなく「伝わる」説明にするために、相手のことを考えた説明を心がけていきたいです。
まとめ【マンガでわかる頭のいい説明「すぐできる」コツ】鶴野充茂
- 理由や背景よりも先に、結論から話す
- 初めに話の大枠から伝え、次に具体的な内容を話す
- 相手がさらに第3者にも伝えやすいよう、メモしやすい箇条書きで伝える
相手に伝わる説明とは、結局、相手への気遣いなんだということが学べました。
相手の状況は様々で、
- 忙しい人
- 話の大枠をすでに知っている人、いない人
- 第3者にも伝達する役割を持っている人 など
自分が話したい・話しやすい順番という、自分中心の考え方を捨てる。
そして、相手の状況を考えて、どの順番で話すのが良いのかを意識していこうと考えを改めさせられました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。